経腸栄養剤とは、咀嚼を必要としない液状の栄養製剤
経腸栄養剤の種類
経腸栄養剤は、原材料に基づいて以下のように分類されます
天然濃厚流動食
天然食品を原料とし、通常の食事と同様の消化吸収能力を必要とします。味が良いため経口摂取に適していますが、消化吸収能が低下している場合には適しません
人工濃厚流動食
天然素材を人工的に処理したものや合成アミノ酸、低分子ペプチドを含む栄養剤です。以下のようにさらに分類されます
成分栄養剤
アミノ酸を窒素源とし、消化がほとんど不要で吸収が容易です。消化吸収能が低下した場合に適していますが、脂肪含有量が少ないため必須脂肪酸欠乏に注意が必要です
消化態栄養剤
低分子ペプチドを窒素源とし、消化吸収が容易で、消化吸収能が低下している場合にも使用可能です
半消化態栄養剤
卵白や乳タンパクなどを窒素源とし、消化が必要ですが、様々な病態に合わせて使用されます
現在、特に半消化態栄養剤は100種類を超える製品が医薬品・食品として発売されており、患者の状態に合わせた選択が可能となっています
どんな時に病院で処方されるか?(主な状況)
長期的に経口摂取が困難な場合
- 手術後の栄養補給
- 嚥下障害がある患者
栄養不足の改善が必要な場合
- 高齢者の低栄養状態
- 体重減少が見られる患者
特定の疾患や状態への対応
- フレイルやサルコペニアのリスクがある患者
- 慢性疾患による食事量減少
よく処方される半消化態栄養剤の違い
エンシュア・HとラコールNF(液・半固形)の成分比較表
エンシュア・HとラコールNFともに半消化態栄養剤(医薬品)
窒素源はタンパク質の形で配合されているので、吸収するためには消化の過程を経る必要がある。そのため、消化吸収能が低下している場合や、消化管を安静にする必要がある場合には適当ではない。
腎機能によって 「腎機能別薬剤投与量POCKET BOOK 第3版」より
- ラコールNF(液・半固形)は、GFRまたはCcr(mL/min)が
30未満の場合:禁忌(高窒素血症などを起こすおそれがある)
- エンシュアHは、腎障害がある患者には慎重投与になっている。
※詳しくは医師または薬剤師にご相談を
ここに記載してる内容は参考程度のものです。
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